yuhka-unoの日記

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2011-01-01から1年間の記事一覧

「若者像」が存在した時代から、曖昧になった時代へ

バブル世代という神話: Meine Sache 〜マイネ・ザッヘ〜 いつの時代も若者は貧しいものです。貧しさのレベルで言えば、バブル期の若者は、それ以前の時代の若者とは比較にならないほど恵まれていました。しかしあの時代は、貧しい若者が貧しい若者らしく貧し…

可愛くない私の自分探し

私は、小学生の頃までは身長が低く、背の順でいつも前から三番目前後の位置にいたのだが、中学三年間で一気に身長が伸びて、いきなり大人っぽくなってしまった。高校生の頃には、私服でいると社会人に間違われていた。20歳頃には、祖母の葬儀の席で、伯父の…

自己基準と他者基準―「競争しろ」より「吸収しろ」のほうが良い―

「競争を拒む」若者の心理と意外な孤独感:日経ビジネスオンライン そりゃ「競争しろ競争しろ」とだけ言われても、やる気になるわけがない。これは、親から「勉強しろ勉強しろ」とだけ言われるのと同じだ。親から「勉強しろ勉強しろ」と駆り立てられてした勉…

「救世主」になりたい人は、「迷える子羊」を求めてさ迷う

時々、複雑な家庭環境に育ってしまったせいで、親に対する葛藤を抱えている者に対して、「親を憎んで生きるより、感謝して生きたほうが、楽になれるし、生きやすくなるよ」などと言ってくる人がいる。しかし、このような人は、自分のことを「人間的にできた…

他者を使った自己肯定―子供に自分と同じ人生を歩ませたい親―

自分は実際のところ、不幸で不本意な人生を歩んでしまっている。しかし、今更自分は不本意な人生を歩んでしまったとは認めたくない。認めるのはあまりにも酷だ。自分の人生は幸せだったのだと思いたい。 このような親の中には、子供に自分と同じような人生を…

我侭な人ほど、自分は「普通」で「一般的」で「多数派」だと思い込む

まともな人ほど「私はこう思う」と言い、我侭な人ほど、自分は「普通」で「一般的」で「多数派」だと思い込む。これはもう法則と言っても良い。 我侭な人は、「私はこう思う」と、自分個人の意見として言いたくない。なぜなら、批判されてしまったら、「私」…

若者は何も言わず、ただ去るのみ

『格差と若者の非活動性について (内田樹の研究室)』を受けて書いた前回記事『いち若者の立場から、若者が何も主張しない理由を主張してみる』に、「全くもってその通り」と思う意見を頂いたので、こちらをご紹介しつつ、今回の記事を書こうと思う。 @niger1…

いち若者の立場から、若者が何も主張しない理由を主張してみる

格差と若者の非活動性について (内田樹の研究室) Q1.現在、世界では、経済格差(世代間格差ではなく、金持ちとそうではない人との格差)や社会への不満に対して、多くの若者たちが声を上げ、デモを起こし、自分たちの意見を社会に訴えようと行動していま…

あがり症と心の傷

私が通っていた中学校では、音楽のテストを期末に実施していて、実技試験と筆記試験に分かれていた。実技試験は、クラスの皆の前で歌を歌ったりリコーダーを演奏したりという内容のもので、当時いじめられていて、クラスのほぼ全員から無視されていた私にと…

社会が押し付ける「良い親であれ」というプレッシャー

「もしも、自分が障害のある子を授かったら....みなさんはどう思いますか」・・乙武(h_ototake)さんの連続ツイート - Togetter これは障害児だけでなく、広く「虐待」というものを考えさせられるテーマだ。 結論から言うと、私は乙武氏のスタンスに疑問を…

あなたは私よりも「大人」かもしれませんが、虐待については私よりも無知な立場です。

相手のための気遣いと、自分が嫌われないための気遣い 自分が嫌われないために気を遣う人は、身内を潰す。 群がる「親」という名の感謝乞食たち 自分が嫌われたくない人の気遣いは、「いじめ防衛的気遣い」 困った親の言う「私を理解して」は、「私を良い親…

困った親の言う「私を理解して」は、「私を良い親だと思って」

困った親ほど、子供に対して「私を理解して」「私に感謝して」と言う。そして、子供に承認と感謝を求める気持ちに反比例するかのように、子供の気持ちを理解しようとする姿勢に乏しい。 そのような親の元で育った子供は、精神を搾取されて育つ。親に対する承…

「私には何もできない」という現実―震災後数日間の私の思考―

あの東日本大震災が起きてから、多くの人が悩んでいたように、私も悩み、迷っていた。私は何を思うべきか、何をするべきか… で、そのうちに、「迷ったり悩んだりしているほうが、良いってこともあるよな」と思うようになった。 世間には、迷っている状態は悪…

自分が嫌われたくない人の気遣いは、「いじめ防衛的気遣い」

母の、自分が嫌われないための気の遣い方について、色々と考えたところ、あれは、いじめがあるクラスによくある、どこかのグループに属していないといじめられるという雰囲気になった時の、グループ内での気の遣い方に似ていると思った。 相手のための思いや…

自己犠牲という暴力

自己犠牲的精神の持ち主は、助けてあげると言いつつ、なぜか重くのしかかってくる。 例えば、もし自分の親が自己犠牲的精神の持ち主で、「あなたのことは、私が全部背負ってあげる」「私さえ我慢すれば、それで良いの」と言いながら、ボロボロになっていたら…

群がる「親」という名の感謝乞食たち

きゃあー、燃え上がってもうたわ http://anond.hatelabo.jp/20110904145941 あれ、何か増田で場外乱闘状態になってる(笑)。まぁ、私が前回記事『自分が嫌われないために気を遣う人は、身内を潰す。』のコメント欄で書いた >あなたが道を踏み外さず、これだ…

自分が嫌われないために気を遣う人は、身内を潰す。

『相手のための気遣いと、自分が嫌われないための気遣い』に、予想外にブックマークが沢山ついた。で、 id:ekirei-9 理屈はわかるけど具体例がほしい という意見を頂いたし、ちょうど書きそびれたなと思っていたこともあったので、続きを書こうと思う。 母は…

ネットの可視化、リアルの不可視化―近頃の若者の「わからなさ」について―

.@nucco 例えば、子どもが、缶蹴りや鬼ごっこをして遊んでいると安心するけれど、DSの画面を見つめてひたすら黙っているという場面を見ると、なんか不安になるというのは、見守る側の大人の素朴な感情としては、どうしてもあると思うんですよ。そこをどう…

相手のための気遣いと、自分が嫌われないための気遣い

毎日放送関西ローカルのお昼の時間帯に、「ちちんぷいぷい」という情報番組がある。良い意味でのゆるい雰囲気が持ち味で、私はけっこうこの番組が好きで見ている。 その「ちちんぷいぷい」の中に、大吉洋平という若手アナウンサーが、京都の様々な老舗で、一…

感情を自覚しない感情表現について

感情表現について (内田樹の研究室) http://blog.tatsuru.com/2011/08/10_0940.php だから、他人の内面をダイレクトに操作しようと願う人間−つまり、「政治的な人間」−は、演技的な怒りや演技的な悲しみや演劇的な苦悩に熟達するようになる。 政治家が「過剰…

「『俺・私は奴隷主だえらいんだ』大会」は、両者の力関係の問題

「『俺は男だえらいんだ』大会」にはもううんざり、という話 - みやきち日記 http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20110810/p1 この記事のブコメで、「女も同じことやってるじゃないか」という声が多いが、その声の大半は、男がいない時に女同士で自分の彼氏や…

音楽業界のブームのゴリ押しは、着物業界の凋落に似ている

私の個人的音楽史と、現代の日本音楽業界について思うことを書いてから、また色々と思うところがあったので、続きを書くことにした。 フジテレビの韓流ゴリ押し騒動について、フジテレビと韓国の裏の関係を想像する人がいるようだが、私は単に、国内で仕入れ…

理想と妄想を詰め込んだ金麦妻は、アキバ系メイドちゃんと同じ

Togetter - 「「金麦」のCMはなぜ女性に嫌われるのか」 http://togetter.com/li/167868 以前にも盛り上がった金麦CMについての話題。 最初に言っておくと、私は金麦CMの演出が嫌いという立場だ。演じている檀れいさん自身のことは別に嫌いではなく、あくまで…

私の個人的音楽史と、現代の日本音楽業界について思うこと

私が10代の頃は、安室奈美恵、華原朋美、SPEED、MAX、ポケットビスケッツにブラックビスケッツ、SMAPなどの全盛期だった。しかし、私は実際のところ、あまり流行りの音楽に興味はなかった。学校の友達に「どの歌手が好き?」と聞かれたら、一応「安室奈美恵…

「生きる力」とは、自分の人生を自分で決めていく力

昨今の子供の教育については、「生きる力」という言葉がよく言われてきた。「生きる力」が具体的にどういうものなのかは、個々人が様々な考えを持っているが、私が考える「生きる力」とは、自分の人生を自分で決めていく力のことだ。 そのためには、自分がど…

相手は自分より頭が悪いと思い込む材料としての「アスペルガー症候群」

前回記事『頭が良い人になるには、「頭が良い人だと思われたい」という願望を捨てること』に、1000を超えるブコメがついて驚いた。そして、ブコメを読んでいるうちに、また色々と考えさせられた。 私がこの手の話で思い出すのは、山月記の李徴だ。李徴はもと…

頭が良い人になるには、「頭が良い人だと思われたい」という願望を捨てること

「頭が良い人だと思われたい」という願望を強固に持った人ほど、頭の良さから遠ざかってしまうのではないかと思う。「良い親だと思われたい」という願望を強固に持った親ほど、良い親から遠ざかってしまうように。 なぜなら、こういう人は「論理的=格好良い…

仮面学校―「キレる良い子」を生む、きれいな虐待―

Togetter - 「はるかぜちゃん @ harukazechan が語る小学校でのいじめの実際」 http://togetter.com/li/125610 Togetter - 「はるかぜちゃんが語る、現在の小学校のすがた」 http://togetter.com/li/133863 これ、はっきり言って児童虐待なんじゃないのか。…

「奴隷狩り目線」からの開放―NOセクハラ・YESエロス―

椎名林檎と「女ぎらい」からの解放 - 熊田一雄の日記 http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20110623/p2 音楽家の椎名林檎が、ファッション誌『Lips』(6月23日発売号/マガジンハウス)で“女性の生き方”について語っている。「本来、女性は誰もが変幻自在な存在だ…

「自由か強制か」ではなく「自立か適応か」

Togetter - 「橋下府知事(t_ishin)の教育についてのツイをきっかけに乙武 洋匡さん(h_ototake)が「僕が教員時代に最も頭を悩ませた問題でもあった」とツイート」 http://togetter.com/li/147955 橋下知事の教育観に乙武氏が自問する、という内容なのだけ…