yuhka-unoの日記

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続々々・「ダサピンク現象」について―ピンクは「無難な色」なのか?

north_god うむ、男性スーツで紺色が無難と言っちゃうのと同じで色彩が貧しすぎる。夏は夏色、冬は冬色というのもやめてほしい。春夏秋冬色の相性は人それぞれ違う
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/yuhka-uno/20141205/1417777562

続・「ダサピンク現象」について―だから、「ピンクが嫌い」って話じゃなくてさぁ…』の記事についていたこのブコメを読んで、「ピンクって、無難な色なのかなぁ…?」と思ってしまった。男性のビジネススーツの場合、消費者に紺色が無難だと認識されているのは、確かにそうだと思う。ただ、女性の場合、ピンクは無難な色なのだろうか。「何色が好き?」というアンケートだけを見れば、女性のピンク人気は高いので、一見すると「女性向けはピンクにしておけば無難」と思ってしまうのかもしれない。しかし、当の女性たちが「ピンクは無難な色」だと考えているのかというと、それは大いに疑問だと感じる。ピンクは、むしろ「難しい色」だと考えられていることが多いような気がするのだ。女性たちが「ピンク色にしておけば無難」だと考えるものは、口紅くらいではないだろうか。それでも、「私はオレンジ系のほうが無難」だと言う人はいるけれど。
 
マーケティング的なことを言うなら、「何色が好き?」という質問に答えたアンケートの結果よりも、実際に女性にどれだけピンク色の商品が売れているのかというデータのほうが、信用度が高いような気がする。「何色が好き?」という質問に「ピンク」と答えた女性が、実際にバッグを買う時には、茶色や紺や黒を選んでいるというのは、よくあることだからだ。
どうにも、「好きな色」と「実際に選ぶ色」は、必ずしもイコールではないような気がする。もしも女性たちが、アンケートに答えたとおり、好きな色だけで服を選んでいたら、街中で見かける女性たちのピンク比率は、もっと高いものになっているはずだ。自分の持ち物となると、「好きな色」よりも「使い勝手が良い色」のほうが多くなるというのは、あると思う。それに、色だけで選んでいるわけじゃないしね。
 

これは私も考えていた。自分の経験だと、幼児期はこの3つの区別をつけていなかったと思うが、年齢が上がって客観性を身に付けるにつれて、この3つは分かれてくると思う。色もそうだが、形もそうだ。私は、丸っこくて可愛いものは、好きか嫌いかと問われたら、好きなほうだと思う。小動物が好きなのと同じで。でも、自分で身に付けるには、丸っこくて可愛いものは似合わない。ぬいぐるみや動物のように、「自分でないもの」として愛玩する対象と、身に付けるものや持ち物のように、「自分の一部」としてものを持つ場合は、選ぶ基準が違ってくる。
「ピンクは好きですか」という質問に「好きです」と答えたとしても、「部屋の壁紙や家具をピンクにしたいですか」「ピンクの車を持ちたいですか」という質問になると、「いや、それはちょっと…部屋の壁紙はオフホワイトで、家具は木目にしておきたい」ってなる人は、けっこう多いんじゃないかな。
 
続・「ダサピンク現象」について―だから、「ピンクが嫌い」って話じゃなくてさぁ…』の記事中でも、具体的に「丸っこくってピンク色っぽいかわいい車」が似合いそうな女性は誰かとか、自分に似合う、大人っぽくて落ち着いたピンク商品が少ないので、自然と買わなくなるとか、「好き」だけじゃなくて「似合う」でも話をしているんだよね。
ホンダNシリーズの話に戻ると、「丸っこくってピンク色っぽいかわいい車」は、無難ではなく、むしろけっこう尖ったデザインの車だと思う。私はきゃりーぱみゅぱみゅでも道重さゆみでもないので、もし自分の車を持つとしたら、無難に白とか紺とかを選びそうだ。性能と軽さに配慮した女性向け工具についても、柄の部分で無難なのは、ピンクではなく、普通の工具と同じ木製にしておくことなんじゃないかと思う。

 
この件を考えるにあたって、試しに母に「何色が好き?」と聞いてみると、「赤かピンクかな…」という答えが返ってきた。なんと母はピンク好き女子だったのだ。しかし、実際に母が持っている服や靴やバッグは、「ピンクもある」という程度のもので、黄色系や茶色系のもののほうが多いくらいだ。赤も、それほど多いというわけではない。
母に「もし車を持つとしたら、何色にする?」と聞いたところ「白」という答えが返ってきた。理由は「濃い色だと汚れが目立つし、白なら上品で、妥当」だそうだ。ピンクについては、「ピンクってガラじゃないしな〜」だそうだ。
母が現在持っている携帯電話はピンクだが、2〜3種類しかない中で、仕方なく選んだのだという。「もし好きな色を選べるとしたら、何色がいいか」と聞いてみたところ、「案外、赤とかが良いかも」と言った。「目立つ色だと、鞄の中で見つけやすいから」という理由だそうだ。同じ理由で、黒だけは避けておいたらしい。そして、今持っているピンク色の携帯は気に入っていないらしい。「だって、それ、おばさんくさいやろ?」と。どうやら母の中では、今の携帯はダサピンクらしい。
これはあくまでも一例だけど、でも、わりとリアルな女性の声だと思う。
 
ことは、「ピンクが好きならピンクを選ぶだろう」という、単純なものではない。ピンクは嫌いじゃない、それどころか好きだったとしても、ピンクのものを買うわけではなく、選ぶものによってはピンクを避けるということすらある。その辺りを理解していないと、「ピンクを選ばない=お前はピンクが嫌いなんだろう」みたいな勘違いをしてしまうのかもしれないが。逆に言えば、普段ピンクをあまり身につけない女性でも、実はピンク好きだったりするかもしれないわけで、もしそうだったら、「お前はピンクが嫌いなんだろう」って言ってしまうのは、すごく失礼だよね。
 

大人気だけど好き嫌いの激しいピンク色と
そこそこ人気だけど嫌いな人はほとんどいない水色
女性がピンク色を好むと思われがちですが水色もすごく好まれている色です。しかもピンクは嫌う人も多いのですが水色はダメって人が圧倒的に少なかったりします。
人気色!色のアンケート調査 - 色カラー

「ピンク」は、好き嫌いの好みが激しく出る色です。アンケートに答えていただいた方に女性が多かったというのが原因と思われますが、嫌いな色でもベスト3入りしています。
好きな色嫌いな色の解説 | Best Color Room ALICE | Best Color Room ALICEーパーソナルカラー診断の専門店

 
〔追記〕

続きを書きました。
「ダサピンク現象」番外編―ターゲットの最大公約数から大幅にズレているのが「ダサピンク現象」である