成長してはいけないパフォーマー、AKB48

なんかAKBのメンバーに元彼がいたことが発覚して「左遷」されたらしい。とりあえず、この件に対する私の認識は、この程度である。特にそれ以上知ろうという気にはならない。
　
AKBは「成長過程を見せていくパフォーマー」ということらしい。しかし、実際は「成長してはいけないパフォーマー」だよな、ということを、前々から思っていた。恋愛禁止なども含めて。
「成長過程を見せていくパフォーマー」の「成長」というのは、奴隷としての成長であって、人間としての成長じゃない気がする。奴隷拳闘士としての成長過程を見せていくパフォーマーだ。
「恋愛禁止」というのは、本当は恋愛だけではなくて、もっと色々なものを禁止しているような気がする。具体的に言うと、自分の意思を表明することとか、人間として成長することとかだ。いや、彼女たち自身は自分の意思を持ってると思う。ただ、それを表明するなという抑圧が「恋愛禁止」に集約されているのだと思う。
以前、元彼にコンドームの箱を持っている写真を売られた女子アナが、番組を降板させられたことがあった。どうやら日本の「業界」では、女子の場合、AKBどころかアナウンサーですら「恋愛禁止」だったらしい。
　
…というようなことをtwitterでつぶやいていたら、

と言われて、まさしくそうだなと思った。人間としての成長は、奴隷としては劣化なのだ。
そしてこの「劣化」というのは、何もアイドルとかに限った話ではない。日本の場合は、女全般に当て嵌ることだと思う。「若い女の子」の時期を過ぎれば、「おばさん」として「劣化」扱いだ。年を重ねた女性を人間として尊重するということが、もともとあまりない国なのだ。
彼女に対するバッシングも、セカンドレイプの構造そっくりだ。
　
私は前々から、AKBはブラック企業のようだと思っていた。死ぬほど頑張ることが素晴らしいとされ、その姿を見せて消費させるところや、明らかに労働基準法に違反した社内の規則や慣例がまかり通ることなど、ブラック企業的だ。ブラック企業もまた、従業員に優秀な奴隷として成長することを求めている。ブラック企業ほど「お客様は神様です」と言うが、従業員を大事にしない企業は、顧客を本当に大事にすることはないと思う。
「アイドルという、特殊な職業だから良い」というのなら、ブラック企業もまた、「そういう職業だから良い」ということになってしまうのではないだろうか。本来なら、どのような職業であっても、それ以前に一人の人間であり、人間としての権利は守られるべきなのだが、日本の労働者は、「一人の人間」の部分を無視され、職業人として振舞うことを強いられる傾向がある。
「アイドルという、特殊な職業」というよりは、日本人のジェンダー観や労働観が、そのまま凝縮されてAKBというアイドルに表れているだけ、という気がする。
別にAKBとかアイドル自体は否定しない。ただ、あのやり方は否定する。外食チェーン店自体は否定しないけど、ブラック企業は否定するように。
　

　
　
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