yuhka-unoの日記

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自由になれていない気がする尾崎豊

成人の日に―尾崎豊を知っているか
http://www.asahi.com/paper/editorial20120109.html

@futodoki
野暮だけれど、いくつかハッキリさせておこう。「若者」は別に尾崎豊にうんざりしてるんじゃない。今の音楽をろくに知らずに「尾崎豊きいて何とも思わないの?」って聴いてくる大人にうんざりしてるんだよ。
https://twitter.com/#!/futodoki/status/156368972579749890

これはわかる。私も尾崎豊に対して特に嫌悪感はない。好きとか嫌いとか以前に、よく知らないから。でも、朝日新聞の社説のオヤジみたいな人が、尾崎豊を引き合いに出して、若者に説教めいたことを言っていると、それに反発して、「尾崎なんて痛いだけだよね」みたいなことを言って、尾崎豊のことを否定したくなるよね。
年長者世代の人たちは、現代の若者に尾崎豊が受けないことについて、様々な理由を考えていらっしゃるようだけれども、若者が尾崎豊を否定する一番の理由は、尾崎豊を押し付けてくるオヤジがうざいからだと思う。そういう意味では、若者はしっかりオヤジに反発しているので、オヤジの皆様におかれましては、どうぞご安心頂きたい。
そして、そういう空気になると、尾崎豊ファンの人は、「尾崎豊が好き」と公言しにくくなるし、尾崎豊世代の人の中には、「黒歴史」と捉えてしまって、尾崎豊が流行っていたことそのものを、なかったことにしたくなるような人もいるんじゃないのかな、と思った。こうして、尾崎豊の周辺は、不幸な連鎖を生んでしまっているのかもしれない。
 
そう考えると、なんだか尾崎豊という存在は、色んなものに絡め取られてしまって、全然自由になれていない気がした。衝撃的な死、変な神格化、オヤジの説教に利用されやすい、という点では、ジョン・レノンと似ているのかもしれない。
そう考えると、尾崎豊ファンの人も、尾崎豊を「黒歴史」と捉えてしまっている尾崎世代の人も、尾崎豊を引き合いに出して説教するオヤジの被害者なのかもしれないと思った。もしかしたら、説教される若者よりも、被害を被っている立場なのかもしれない。
だから、若者としては、「尾崎豊」と「尾崎豊をダシにして説教するオヤジ」を切り離して考えて、後者のオヤジに対して、「尾崎豊じゃなくて、あんたがうざいんだよ」と言っていったほうが良いのだろうね。
 
私は、古いものの良いところは、「昔は良かった」と言わないところだと思ってる。私が戦前戦後の流行歌に興味を持った時に思ったのは、「音楽って、タイムカプセルなんだな」ということだった。その時代の人の感覚が、やたら美化されるでもなく貶められるでもなく、当時のそのままの姿を見られるのが面白い。そうして見たときには、「若者って、いつの時代も変わらないんだな」と、当時の人に共感することもある。
だから、尾崎豊も、やたら美化されるでもなく貶められるでもなく、そのままの姿が見られるようになれば良いと思う。そのためには、尾崎豊を持ち出して説教するオヤジの存在は、邪魔でしかないのだ。
 
そういえば、スティーブ・ジョブズも、亡くなってから、オヤジの説教に使われだしたな、と思う。

id:paulownia
そういや若者よジョブズに続けとか言ってる奴がいたが、ジョブズAppleを建て直したのは40代に入ってからなんだよなあ…一方日本の40代は年金の心配をして「若者を見限ろう」、と…
 
はてなブックマーク - まだ助かるつもりのバブル世代が「若者を見限ろう」とは笑わせる

まったくですね。若者にスティーブ・ジョブズを求める前に、自分がスティーブ・ジョブズになることを考えれば良いのに。