yuhka-unoの日記

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会社人間の父親を見て「あんなふうになりたくない」と思っている若者世代

Business Media 誠:出世を望まない若者が増えている (1/2)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1009/13/news027.html

上の記事は、例によって「近頃の若者は…」とぼやいているだけの内容であり、取り立てて目新しいこともためになることも書いていない。「何かおかしい」とつぶやかれても、それはバブル以前の価値観で考えるからおかしいのであって、現代の社会背景を考えれば何らおかしいことはないし、日本の会社の価値観から見れば今の若者はおかしく見えるのかもしれないが、世界の先進国の会社の価値観から見れば、日本の会社のほうがおかしく見えるだろう。
 

大西 宏のマーケティング・エッセンス : 若者を嘆くまえに - ライブドアブログ
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51128573.html

まぁ私が思ったことは、ほとんど上のブログの人が既に言ってくれているのだが、私なりにもう一つ、若者が出世より趣味のほうが大事だと考えていることについて思うところがある。
若者はたぶん、自分の父親を見て「あんなふうにはなりたくない」と思っているのだ。会社人間で家庭にあまり関与せず、知らぬ間に妻と子供の心は離れてしまい、さりとて生きがいになる趣味があるでもない。そんな父親を見て「この親父、定年後どうするんだろう」と思っているか、あるいは既に定年を迎えて無気力に過ごす父親を見ているか、そんな若者は多いのではないだろうか。中には自分の両親が熟年離婚するのを見た若者もいるだろう。いくら会社で地位や業績を上げても、定年後は何の価値も無くなるのだ。その時、自分には何が残っているのだろう。
 
今の若者は、プライベートの時間を大事にしたいと思っている。趣味も楽しみたいし、もし結婚したら子育てにも関わりたい。「職業人としての自分」意外にも、色んな「〜としての自分」を持っておきたいのだ。アイデンティティーが会社の肩書きだけというのは非常に危うい。雇用が安定していた時代だって危ういことなのに、雇用が不安定な現代では尚更だ。女性より男性のほうが自殺者が多い理由として、「〜としての自分」の数が女性に比べて少なく、アイデンティティーが会社の肩書きだけという人が男性に多いことが一因になっているというのは、よく言われている話だ。一つしかないアイデンティティーを失ってしまうと、自分を精神的に支えるものが何もなくなってしまう。
 
好景気であれ不景気であれ、会社というのはいつかは辞めるところだ。不景気時代の今のほうが、リストラなどで辞めることになる可能性は高まる。その時に備えて、自分を精神的に支えるための「保険」が必要だ。会社は決して一生ものにはならないが、趣味は一生ものになりえる。
年長者は出世欲の無い今の若者を見て「そんなことでどうするんだ?」と思うらしいが、逆に若者から「そんなことで(定年後)どうするんだ?」と思われてしまうような年長者も多い。