yuhka-unoの日記

旧はてなダイアリー(http://d.hatena.ne.jp/yuhka-uno/)からの移行

「あなたは一人じゃない」という言葉について―支援する側・受ける側―

これは私の考えなんだけど、人間って、苦しみの原因そのものよりも、その苦しみに一人で耐えなければならない状況に立たされることのほうが、ずっと苦しいんじゃないかと思う。「一人じゃない」と思うことができたら、気持ちが楽になるし、回復も早い。
 
で、苦しい時って、「一人で思いっきり落ち込みたい。誰にも構われたくない」って思う時があるんだよね。そう思ったときに、周囲の人が自分の気持ちを理解して放っといてくれる時は、「一人じゃない」と思える。
逆に、「一人で思いっきり落ち込みたい。誰にも構われたくない」と思ってるのに、周囲の人に、下手に励まされる、アドバイスされる、構われるという行動を取られた時は、「誰も自分を理解してくれる人がいない」と思って「一人」を実感する。
 
一見すると、前者は一人にしているように見えて、後者は一人にしていないように見えるけど、実は違うんだよね。前者は本人本意で、後者は支援者本意だ。後者は、周囲の人間が「何かしてあげなければ」「何か言ってあげなければ」と焦る気持ちや罪悪感を和らげるためにしていることであって、肝心の本人はますます傷付くことになる。
これで落ち込んでいる本人が、「もう放っておいて欲しい」という本音を押し殺して、周囲の人の励ましやアドバイスを聞き入れるふりをして、無理矢理笑顔を作って「ありがとう、気持ちが楽になった」なんて言ったら、助ける側の人間が助けて貰って、本当に助けが必要な側の人間が周囲を気遣うという、あべこべの状態になる。
 
「あなたは一人じゃない」という言葉で励まされる人もいれば、「あなたは一人じゃない」という言葉でますます「自分は一人だ」と思って追い詰められてしまう人もいる。そういう状態の人に対して周囲の人間にできることは、思いっきり落ち込むことに集中できる環境を整えて、あとは本人の自己回復能力を信じて待つことなのかもね。少なくとも私の場合は、過去に「一人で思いっきり落ち込みたい。誰にも構われたくない」という状態になった時、そういう「無言の肯定感」が一番欲しかった。